今晩は寒さがかなり和らいでいる。
ホピステイも今晩が最後で、明日はセドナへと下りていくつもり。
ここの家主、トミーはかつての伝統派長老のスポークスマン、Thomas Banyacyaの長男。母親のクランを継ぎBear clanに属し、キクモングウィ(精神的指導者)になることができるクランだ。
昨年も今回も、「Prophecy」の言葉の使い方について話してくれた。大切なことなのでシェアします。
映画『ホピの予言』は、初めに英語版が製作されている。
『Hopi Prophecy』というタイトルは、それまでに使われていた言葉に準じて採用されたと思われる。
それで、「Prophecy」を単純に「予言」と訳したのでしょう。
ところで、「prophecy」を辞書で引いてみると、「神の信託」とされ、聖書の「預言」として使われている。
「この使い方が間違っていた」とトミーは言う。
「ホピに伝わる教えは、この先がどうなるのかは、私たちの生き方の選択によるのであって、自分たちで選び取れる、ということを伝えている。
ゆえに、誤解を招くprophecyではなく、pridictionとすべきだった」と……。
私たちは、自分の選択は自由意志に任されている。そして、したことは、その結果がなんらかの形で必ず返ってくるし、結実する。それが宇宙の法則。
今日、Third MesaのHotevilla村を訪ね、ブライアンに会った。インタビュー映像『浄化の時代を迎えて』のMartin Gesweseuma氏の孫だ。1992年に祖父マーチンと父親エメリーと一緒に来日している。
村では年寄りたちが次々と逝ってしまい、儀式を継承しようとする若い担い手も少なくなって、儀式自体の持つ力が徐々に弱ってきているという。ブライアンはその状況に対して、こう話してくれた。
希望はどこにあるかって?
自分はこう思うんだ。人に対して良い思いを持って接すること。家族に対して、周りの人に対してよくすることだ。何事にも対しても誠実にね。そして、お金や政府に頼らない暮らしぶりを取り戻していくこと。それは、お祖父ちゃんのマーチンから教わったことで、その教えをキープしていくこと、そこに希望があると思ってるよ。
ブライアン42歳。なんだかしみじみと彼の話を聴いた。
「心こそが物事を動かす偉大なるテコである。世界がどのような状況に進むのか、それは私たちの心に依っているのだ」
サードメサからの帰り、大好きな場所に車を停め、サンフランシスコピークに落ちていく夕陽に礼拝。
世界が平和に満ちますように。そして、この身をそのために使わせて下さい、と。いや、これ本気、マジっす!!
そのように丁寧に夕陽に手を合わせました。