メサから見晴るかす大地

サードメサから10マイルほどだろうか、ダートロードを砂埃をあげ、ガタガタ揺すられながら、トミーに案内してもらった。

「どれぐらい前のペトログラフかって?
学者や西洋文明の見方って、そうなんだよな、いつも。
地球の創生の歴史からしたら、ほんの短い時間で、俺らもこの絵が刻まれた時も、おんなじ時代にいるさ。

そりゃ、少しは変わったさ、車もあるし、Wifiもね。
でも、同じ大地の上で、変わらず儀式を続け、同じように暮らしてる。

ホピには、現在、って言葉も観念もないんだよ。すべてがとどまらずに過ぎ去っていくだろ。だから、あるのは、過ぎ去った過去、来るべき未来だけだよ。西洋の時間の概念とは違うんだ。

great とか、そうじゃないとか、大きいとか小さいとか、すぐに分け隔てるよな。なんでだい? すべてのものがsacred、聖なるもので、そのすべての中に、宇宙があるのにな。

それから、ホピの先祖のことを、Anazaji と呼んでるが、それは、ディネ(ナバホ)が「敵」という意味で付けた呼び名だ。これからは、もう、アナザジとは言わないでほしいな」

車の中で、トミーはいろいろと話してくれた。

悠久の時の流れの中で、ホピは生きている。

メサから見晴るかす大地は、すべて人の思惑を吸い込んでしまうかのように、私には感じられる。

ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲25年ほど前に来て以来。この谷は、公園に指定されているわけでもなく、知る人だけが知っている谷!  こんな場所が、他にもきっとたくさんあるのだろう。
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲この谷は、国立公園のニュースペーパーロック並み!
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲黒い岩肌にくっきりと。
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲10mほどの高さだろうか。落書きは見当たらない。
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲空がとても青く、コントラストはバッチリ!
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲ココペリを見つけた! かなり高いところ! あー、iPhoneしか持ってこなかったのは大失敗! それでもよく撮れているなあ。
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲さてさて、20mほどの崖の上。今回見つけた中で、いちばんの高さ。300ミリの望遠レンズがいるな、とトミーがその仕草をしてみせた。
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲昨日は、メサの上からコヨーテが歩いているのを見た。さて、このこは誰かな?
ホピ2017の旅記録(岩絵)
▲お水を捧げ、谷に入る許しを乞うた。